第4話 競技会が始まる!

澄んだ光が街を包みこむ時……

ついに競技会当日を迎えた。

開幕を告げる花火が、青空を彩る。

○○「わぁ……! すごい!」

街のいたる所で行われるさまざまな競技に、応援の声や歓声が上がっている。

屋台からは、お肉の焼ける香ばしい香りや、甘いメープルの香りがただよう。

(お祭りみたいで楽しいな)

○○「えっと、アインツさんが出る競技の会場は……」

辺りを見渡し、剣の競技会場を探す。

(早くアインツさんの笑顔が見たいな)

剣の競技会場は、街の中央にある大きなホールだった。

その中へ入ると、出番を待つ選手の中からアインツさんを見つけた。

たくさんの選手たちの奥で、彼は一人静かに椅子に座っていた。

○○「アインツさん」

アインツ「よ、よう、○○!」

アインツさんが立ち上がり笑顔を浮かべる。

彼の笑顔に、私の頬が緩んだ。

○○「もうすぐですね」

アインツ「そうだな、もうすぐだ!」

○○「練習の成果が発揮できるといいですね!」

アインツ「そうだな! 発揮できるといいな!」

○○「……優勝目指して頑張ってくださいね」

アインツ「そうだな! 頑張ってくださる!」

(アインツさん……?)

○○「応援してますね」

アインツ「そうだな! 応援する……いや、してくれ!」

(やっぱり、アインツさんの態度がおかしいような……)

じっと見つめると、アインツさんが視線を彷徨わせる。

○○「……大丈夫ですか?」

アインツ「えっと……」

○○「アインツさん……?」

アインツ「そっそんな顔するな! とにかく大丈夫だ! オレの活躍、期待していてくれよ!」

彼の笑顔が、私には無理しているように見えてしまう。

でも…―。

○○「はい、わかりました」

彼に笑いかけると、私は控え室を後にした。

(不安をあおっちゃダメだよね)

(本当は何でも話して欲しいけど……)

彼が自分の気持ちを話してくれない事に、寂しさを覚える。

その時…―。

アインツ「どうしたんだオレは! らしくないだろこんなの!」

苛立ったようなアインツさんの声が、扉の向こうから聞こえてきた。

(アインツさん……??)

……

やがて、剣の競技が始まった。

立て続けにミスを繰り返し、アインツは思うように試合を運べていなかった。

アインツ「くそっ! 何でうまくいかないんだ!?」

焦りの色が、アインツの顔に表れている。

アインツ「○○にかっこいい所をみせたいだけなんだ! なのにアイツに見られているってだけでオレは……! どうしてこんなに、胸や手が震えて……!! これはなんなんだ? アイツを見るたびに熱くなる気持ちは!」

その時…―。

○○「アインツさん、頑張ってください!」

○○の自分を応援する声が、アインツの耳に届いた。

アインツ「!! あるじゃないか! この気持ちを言いあらわす言葉が!」

息を整えると、アインツは剣を握り直した。

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