第2話 どんな宝石よりも

宝飾展が催されている会場に着くと…-。

ジークさんが取っ手を引いて、重厚な扉を開けてくれる。

ジーク「さあ、プリンセス」

〇〇「ありがとうございます」

会場の中に足を踏み入れると、まばゆい光が視界に飛び込んできた。

(……綺麗)

ジーク「今回の宝飾展には珍しい宝石も集まっているので、是非プリンセスに見ていただきたいと思いまして」

設置されているガラスケースには、さまざまな種類の宝石が飾られている。

〇〇「ありがとうございます、嬉しいです」

ジーク「あなたの喜ぶ顔を見ることができて、私も嬉しいです。こちらへどうぞ」

ジークさんは、私の背に優しく手を添えて促す。

向かいのガラスケースには、鮮やかな光彩を放つ深紅の宝石が飾られていた。

ジーク「この宝石は、とても美しい希少石なんです。角度によって見える色が変わるんですよ」

(色が変わる……?)

ジーク「プリンセス、こちらへ」

ジークさんにならって視線の位置を変えると、赤だったはずの宝石が青に見えた。

〇〇「わぁ……」

その美しさに感動して、深いため息が漏れる。

〇〇「すごく綺麗ですね」

振り向くと、ジークさんと視線がぶつかった。

ジーク「……」

〇〇「ジークさん……?」

見るからに赤い顔が心配になり、私は彼の顔を覗き込む。

ジーク「すみません……あの……。 あなたが宝石に見とれている顔が、とても美しくて……。 つい、目を奪われてしまいました」

飾らない賛美に、心臓が大きく打ち鳴る。

〇〇「あ、ありがとうございます」

なんと返していいかわからずに照れてしまう私に、ジークさんも気恥ずかしげに微笑む。

早鐘を打つ心臓を誤魔化すように、私は視線を巡らせた。

〇〇「向こうに置いてある宝石も綺麗ですね。行ってみてもいいですか?」

するとジークさんは目を伏せてくすりと笑みをこぼし……

ジーク「ええ、もちろんです。仰せのままに、プリンセス」

優しい眼差しを向けられて、とくんと胸が音を立てる。

(なんだかすごく……ドキドキする)

宝石が放つ美しい光に囲まれながら、私達は会場を巡っていった…-。

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